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夏目漱石の草枕のあらすじ「とかくに人の世は住みにくい」

日本文学

夏目漱石の草枕は明治39年に発表された小説です。冒頭部分はかなり有名になっているので、草枕を知らない方でもこの部分のフレーズは知っている方が多いと思います。

智ちに働けば角かどが立つ。情じょうに棹さおさせば流される。意地を通とおせば窮屈きゅうくつだ。とかくに人の世は住みにくい。

世の中をこのように感じている画家の男を主人公にして、小説は展開していきます。そんな草枕のあらすじとは、一体どんな内容なのでしょう。

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夏目漱石「草枕」あらすじ

物語は、主人公がこの世は住みにくいが、かといって引っ越すところもないと憂いている場面から始まります。

芸術と人生を思う旅

日露戦争の頃、三十歳の画家である主人公は、芸術についての思いを巡らせながら山道を歩きます。途中で雨が降ってきたため、道中の茶屋に入って一休みすることにします。

主人公はその店の老婆に、ここから一厘ほど先の志保田屋という温泉宿に宿泊するというと、嫁入りしていった娘の話をしだします。

その娘には想い人がいましたが、親の意向で金持ちの男の家に嫁がされたとのことでした。

しかし、日露戦争で旦那の会社が潰れてしまい、現在は実家である宿へ戻って来ているのだといいます。

老婆は娘についていろいろな話をしてくれましたが、これ以上聞くとせっかくの趣向が壊れると思い、挨拶を交わしてその茶屋をあとにしました。

温泉宿の娘との出会い

志保田屋に着き、やがて主人公は美しい娘、那美と出会います。那美は主人公が今まで見た中で、一番美しい所作をする女性でした。

彼が部屋を出ている間に、途中まで書かれていた詩の続きを書き足しているなど、主人公は彼女にとても興味を惹かれました。

ある時、那美から近くにあるという鏡が池の話を聞きます。そして、近々その池に身を投げるかもしれないので、その様子を絵に描いて欲しいと頼まれます。

主人公はその言葉に翻弄されながらも、彼女には何か足りないものがあると思い、その絵を描かずにいました。

満州へ向かう二人の人物

ある日、主人公は那美が野武士のような男と会っているのを偶然見かけます。その男は那美の元夫で、彼女に金を貰いに来ていたのです。

務めていた銀行がなくなり貧しくなった彼は、日本で暮らすことができなくなったため近いうちに満州へ渡るのだといいます。

その帰り道、主人公は那美に誘われて彼女の従兄弟である久一に会いに行きます。そこで、久一が満州の戦へ徴集されたことを知ります。

足りなかったものに気づく主人公

主人公と那美たちは、久一の満州行きを見送るために駅のホームに来ていました。出発した列車から顔を出すのは、久一ともう一人、那美の元夫の男でした。

その男と顔を合わせ、呆然とした表情を浮かべる那美を見た主人公は、その憐れさが絵を描くのには足りなかったのだと気づきます。

思わず那美に「それだ」と声を掛けます。そしてついに、主人公の胸中の画面が完成したのでした。

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