白鯨(はくげい)はアメリカの小説家「ハーマン・メルヴィル(Herman Melville)」が、実際に捕鯨船に乗って体験した事を元に書かれたと言われています。
今まで何度も映像化されているので、知っている方も多いでしょう。そこで今回は小説のあらすじを簡単にご紹介します。
メルヴィル白鯨のあらすじ
物語は捕鯨船の乗組員の体験手記という形で進みます。
主人公が捕鯨船に乗船
海に憧れを抱いていた風来坊イシュメイルは、ある宿屋で銛打ちのクィークェグと同室になったことで親しくなります。
そしてイシュメイルは、老朽捕鯨船「ピークォド号」の乗組員として雇われるのです。ピークォド号にはクィークェグも乗っています。
ピークォド号の船長の名前はエイハブ、彼は義足で、昔「モビィ・ディック」と呼ばれる白いマッコウクジラに片足をもぎ取られて以来、復讐の念に取り憑かれていた男でした。
船長の執拗な復讐心
何も知らずに参加する乗組員ですが、船長のモビィディック探しの熱狂さに影響され、みんな夢中になってしまいます。
エイハブが白鯨を見付けた者に賞金を出すと宣言したことも影響しているのでしょう。
1人冷静な一等運転士スターバックは、無茶な行為を止めるように言いますが、エイハブには伝わりません。
途中サミュエル・エンダビイ号に出会い、船長のブーマーから白鯨に会ったが取り逃がした事を聞くと、エイハブは怒り狂ってブーマーを船に追い返します。
またある時は捕鯨仲間のレイチェル号に出会い、船長が息子を海で見失って必死で探している事を聞いても、それは時間の浪費だと考える始末です。
嵐がピークォド号を襲う
その後にピークォド号を嵐が襲います。強風の中、これ以上先へ進むのは危険だというスターバックと船長エイハブは豪雨の中、対立してしまいます。
しかしエイハブの形相と白鯨への執念にスターバックも、そして嵐さえもたじろんでしまうのでした。
そうしているうちに嵐が去っていき、姿を現したのは宿敵モビィ・ディックです。
モビィディックとの戦い
モビィディックを見つけたピークォド号はボートを下ろして戦おうとしますが、エイハブは我を見失っており、モビィ・ディックの背中に飛び移ると銛で背中をひとつきにします。
そしてエイハブは怒り狂ったモビィ・ディックもろとも海の中へと没してしまうのです。
ピークォド号は白鯨の大きな尾で砕けてしまい、スターバックら全て海に沈んでしまいます。ただ1人生き残ったのはイシュメイルでした。
彼は海の中を一昼夜した後、仲間のレイチェル号に助けられました。
感想
白鯨は世界の十大小説の一つとされている作品です。物語の壮大さだけでなく、鯨についての深い知識や聖書からの引用も興味深いと言えます。
しかし、読みにくいと言われていることも事実です。
実際に鯨に関する学術的な描写が小説のほとんどを占めているため、ストーリーだけに集中したいという方にはちょっと難しいかもしれませんね。
そういう場合は鯨に関するページは飛ばして物語を読み進めるといいでしょう。エイハブ船長とモビィ・ディックの死闘はかなり読み応えがあり面白いです。