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芥川龍之介の杜子春のあらすじ「仙人になれなかった若者」

日本文学

大正9年に雑誌で発表された芥川龍之介の「杜子春(とししゅん)」は、中国の伝奇「杜子春伝(とししゅんでん)」を童話化した作品です。

そのため子供向けの戒めを含んだストーリーになっています。ただし、原作となった中国の物語とはかなりの違いがあると言われています。

そんな「杜子春」のあらすじとは、一体どんな内容なのでしょう。

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芥川龍之介「杜子春」あらすじ

物語は、若者がぼんやりと佇んでいるシーンから始まります。

杜子春と仙人の出会い

唐の都である洛陽に、杜子春という若者がいました。彼は金持ちの家に生まれますが、両親が残した財産で遊びながら暮らしており、散財した今では一文無しの生活を送っていたのでした。

ある日、そんな彼のもとに一人の老人が現れて、夜中にこの場所を掘るようにと告げます。杜子春はその通りにすると、そこからは黄金が掘り出されました。

一晩にして彼は大金持ちになり、これまでは見向きもしなかったような人たちが屋敷に訪れるようになります。

贅沢と貧困の繰り返しの中

大富豪となった杜子春は再び贅沢三昧の暮らしをし始めます。しかし、やがてはその財産をも使い果たし、以前と同じように一文無しの生活に戻るのでした。

すると再び老人が現れて、金を掘るように告げます。

そして大金持ちになり、またしてもそれを使い果たすという繰り返しを経て、三度目に老人に出会った時には、杜子春の心に変化が起きていました。

お金があればもてはやされるが、一文無しになれば誰も見向きもしないということを知ります。そして人間というものに嫌気が差し、お金はいらないから老人の弟子にして欲しいと頼むのでした。

杜子春は、その老人が仙人であるということに気がついたのです。

峨眉山での修行

老人は自らを鉄冠子という仙人であると明かすと、杜子春を自分の住んでいる峨眉山へ連れて行きます。そこで試練として、仙人が帰ってくるまで何があっても口をきかないと約束をします。

虎や蛇に襲われても地獄へ落とされても、彼は約束通り何も言いませんでした。

どうしても口を開こうとしない杜子春に怒った閻魔大王は、既に亡くなっている彼の両親を連れて来て目の前で苦しめます。

閻魔大王に痛めつけられながらも、自分のことを一番に思ってくれている母の心に心を打たれ、たまらず母を呼んでしまうのでした。

仙人が与えてくれたもの

お母さん、と一言叫んだと同時に杜子春はたちまち現実の世界へと戻りました。実はこれまでの出来事は全て、仙人が見せた幻だったのです。

もしあのとき杜子春が何も言わなかったならば、仙人は彼の命を奪っていたと言います。

これからはもっと人間らしい正直な暮らしをするという言葉を聞いた仙人は、杜子春に一件の家と畑を与えて去って行きました。

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